はじめに
今回紹介する本は、日本の超有名コピーライター佐々木圭一さんの著書『伝え方が9割』になります。
<著者のプロフィール>
佐々木 圭一(ささき けいいち)
コピーライター/上智大学非常勤講師
新入社員時代、もともと伝えることが得意でなかったにもかかわらず、コピーライターとして配属され苦しむ。連日、書いても書いてもすべてボツ。紙のムダということで当時つけられたあだ名は「最もエコでないコピーライター」。ストレスにより1日3個プリンを食べる日々をすごし、激太りする。それでもプリンをやめられなかったのは、世の中で唯一自分に甘かったのはプリンだったから。
あるとき、伝え方には技術があることを発見。そこから伝え方だけでなく、人生ががらりと変わる。『伝え方が9割』はその体験と、発見した技術を赤裸裸に綴ったもの。シリーズが世界5ヶ国に翻訳され、中国では80万部超えのベストセラーに。
本業の広告制作では、年間ヒット商品に選ばれた「バスタブクレンジング」のCMなど、「伝え方の技術」で広告をつくると売れると話題。カンヌ国際広告祭でゴールド賞を含む3年連続受賞など、国内外55のアワードに入選入賞。年間90回以上の講演をこなす。「世界一受けたい授業」「情熱大陸」などテレビ出演多数。株式会社ウゴカス代表取締役。
伝えベタだった自分を変えた「伝え方の技術」をシェアすることで、「世界のコミュニケーション力のベースアップ」を志す。
この本の表紙にもある通り、伝え方次第でものごとの結果は変わります。
例えば、デートに誘う場面を思い浮かべてみましょう。
こんな場面で「デートしよ」と伝えるだけだと、「イエス」をもらえるか「ノー」をもらえるかは運に頼るしかありません。
しかし、「美味しい店あるから行かない?」と誘うと「イエス」をもらえる可能性がアップします。
このように、伝え方の法則を知ることで、「イエス」をもらえる可能性が高くなるのです。
つまり、デートに誘う際、「ノー」を言われるか「イエス」を言われるかは、伝え方次第ということです。
そんな伝え方の法則が書かれている本書ですが、著者は最初から伝え方を知っていたでしょうか。
この本の著者・佐々木さんは、今ではコトバを操るプロ中のプロですが、元々は伝えることが苦手だったそうです。
そこで、努力を重ね、培ってきた伝え方のノウハウを本にしてくれたのです。
この本の注意点としては、正しい日本語が書かれた本ではないということです。
この本には、コトバが相手の心に届くための伝え方が書かれています。
本書は、人生を好転させたいすべての方におすすめです。
それでは、以下の内容に分けて紹介します。
- 「ノー」を「イエス」に変える技術
- 強いコトバをつくる技術
- 自分の宝探しの旅へ
※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。
「ノー」を「イエス」に変える技術
僕たちは、1日の中でさまざまな場面において「お願い」をします。
- 領収書を経費で落として欲しい時
- 課題提出の期限を先延ばしにして欲しい時
- バイトのシフトを誰かに代わって欲しい時
このような時、相手から「イエス」を引き出すためには以下の手順が重要になるそうです。
3つの手順
- 自分の願いをそのままコトバにしない
- 相手のメリットを考える
- 自分のお願いと相手のメリットを一致させる
もちろん、思ったことをストレートに伝えることも良いことです。
しかし、これでは博打と同じで「イエス」を引き出すのを運に頼らざる負えません。
よって、ストレートに伝えた方が良い場面を除いては、一度立ち止まって考えることが大切なのです。
7つの切り口
②の相手のメリットを考える際には、以下の7つの切り口が有効です。
- 相手の好きなこと
- 嫌いなこと回避
- 選択の自由
- 認められたい欲
- あなた限定
- チームワーク化
- 感謝
「相手の好きなこと」
飲食店において、料理の提供が遅い場合があったとします。
そんな時普通は、「出来上がるまでお時間いただいてもよろしいでしょうか」と言われることが多いです。
この場合、多くの人は店を出て行ってしまうでしょう。
しかし、「出来立てをご用意しますので、5分ほどお待ちください」と言われたらどうでしょうか。
「出来立て」というメリットから導き出された伝え方です。
「選択の自由」
人は決断することが苦手です。
しかし、物事を比較することは得意です。
この特性を利用して相手のメリットを引き出します。
それは、相手の好きと思われるものを2つ以上用意して、選んでもらうのです。
そうすることで、「好き+選べる」のダブルメリットを与えることができます。
この話を聞いて、僕は箕輪さんの本づくりを思い出しました。
箕輪さんは『プロセスエコノミー』という本をつくっているとき、表紙をどうするかアンケートを行なっていました。
Twitterの仲間に選んでもらっていたのです。
「感謝」
人間は感謝されると断りづらいものです。
「〇〇さん、領収書落とせますか?」と聞いても、おそらく「イエス」はもらえないでしょう。
そうではなく、「〇〇さん、いつもありがとうございます。領収書落とせますか?」と聞いた方が「イエス」をもらえる可能性が高くなります。
また、感謝には「オキシトシン的幸福」にもつながるのでした。
「お願い」は相手と共につくる
これまで、お願いで「イエス」をもらうための3つの方法と相手のメリットを考えるための7つの切り口を紹介してきました。
このように、お願いは「自分の願い」と「相手のメリット」の二つからつくるものなのです。
決して、一人でつくるものではありません。
これは、就活でも同じだなと僕は感じました。
自分の夢と会社の理念がどう関係しているのかをアピールしなければなりません。
自分が会社にとってどう役立つのかを考えなければならないのだと思います。
強いコトバをつくる技術
強いコトバとは
僕は最近、『ナルト』というアニメを見ています。
そこでは、以下のような名言が登場します。
僕はこの名言がとても心に響きました。
このような人の心に響くコトバにはある法則があります。
そして、その法則を知れば人の心に響くコトバを再現することができるのです。
では、その法則を紹介する前に著者の言う「強いコトバ」の定義を紹介します。
それは「人の感情を動かすエネルギーあるコトバ」です!
「強いコトバ」をつくるための法則は以下のとおりです。
5つの技術
サプライズ法
まず、伝えたいコトバを決めます。
そして、サプライズワードを加えるのです。
例えば、以下のようなものです。
あ、小林製薬
サプライズワードとは、自分が驚いた時に出るコトバです。
ですが、その言葉を自分が驚いた時ではなく、相手の心を動かしたい時に使うことで「強いコトバ」をつくることができます。
ギャップ法
まず、最も伝えたいコトバを決めます。
次に、伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れます。
最後に、前半と後半がつながるように自由に言葉を入れていきます。
例えば、以下のようなものです。
これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。
オバマ前大統領就任演説
ギャップをつくれば、感動をつくることができるのです!
赤裸裸法
まず、最も伝えたいコトバを決めます。
次に、自分の体の反応を赤裸裸にコトバに変換します。
そして、そのコトバを、伝えたいコトバの前に入れます。
例えば以下のようなものです。
あれから思うように 息ができない
『Lemon』 米津玄師
ポイントは、普段口にしないようなコトバです。
リピート法
まず、伝えたいコトバを決めます。
そして、それを繰り返すだけです。
例えば、以下のようなものがあります。
コトバを繰り返すことで、相手の記憶に残すことができるのです。
クライマックス法
これは、いきなり伝えたいコトバを言うのでなく、クライマックスワードを言ってから伝えたい言葉を言うというものです。
例えば、以下のようなものです。
ここだけの話ですが、
〇〇〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
クライマックスをつくれば、相手の切れかかった集中力にスイッチを入れることができます。
自分の宝探しの旅へ
最初はレシピ通りに
ここまで、「『ノー』を『イエス』に変えるための技術」や「強いコトバを作る技術」を学んできました。
思いつきで文章やコトバをつくっていては、良い時と悪い時が出てしまいます。
しかし、レシピ通りに文章やコトバをつくることで、いつでもよいコトバをコトバをつくることが出来るのです。
万人に通用する
そして、レシピ通りにつくったコトバは万人に通用します。
実際に多くの名言が、時代を超え、国を超え、文化を超えて語り継がれています。
このように、これまで紹介した技術は地球上全ての人に通じるものなのです。
自分だけの宝探しの旅へ
この本には、著者の発見したコトバに関する技術が詰まっています。
しかし、世の中にはこれが全てではありません。
この本の内容をマスターした後は、自分でコトバの法則を見つけていきましょう。
そして、自分だけの「伝え方」を手に入れましょう。
それこそ、自分だけの宝探しです。
おわりに
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
この本は、正しい日本語を学べる本ではありませんでした。
そうではなく、自分の想いいを相手に「伝える」ための本です。
皆さんもぜひ、この本を手にとって相手の心に響くコトバをつくってみてください。
僕もコトバの技術をどんどん磨いていきます。
【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】
当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。
書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。
また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。
しかし、万が一行き届かない点があり、記事の削除を望む所有者様がいましたら、お手数ですが、
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