はじめに
今回は、堀元見さんの著書『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』を紹介します。
<著者のプロフィール>
堀元見
(たぶん)世界で唯一のインテリ悪口専業作家。慶應義塾大学卒業後、就職せず「インターネットでふざける」職業にする。初年度の年収はマイナス70万円。2019年に開始した「インテリ悪口で人をバカにする有料マガジン」がウケてそれだけで生活できるようになったため、インテリ悪口作家を名乗り始めた。飲み会で職業を聞かれると「悪口を書いています」と答えて相手を困惑させている。他の代表作に、YouTubeチャンネル「ゆる言語ラジオ」などがある。
この本は、今年読んだ本の中でもトップクラスに面白かったです。
まず、なんと言っても構成が面白いです。
ある一つの主張を紹介した後に、真逆の主張を紹介しています。
これまでにたくさんのビジネス書を読んできた方におすすめです。
- 学んだこと
- 特に面白かったフレーズ
- 箕輪さんは素晴らしい編集者
- 感想
※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。
学んだこと
読書中、堀元さんの笑っている顔を何度も思い浮かべてしまうほど、書いている堀元さんが楽しそうな本でした。
堀元さんがふざけすぎて、大喜利みたいな結論を出している箇所もありましたが、僕がこの本を読んで学んだことは3つあります。
- 中庸が大事
- 「この度の不手際、誠に慙愧に堪えません」
- 物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
中庸が大事
この本は、真っ向から対立する主張がたくさん取り上げられています。
その中の一つがお酒です。
本書でたびたび登場する箕輪さんは「予定調和を破壊するために泥酔状態でイベントや会食に行く」と言っています。
一方で、『一流の気配り力』の著者である安田さんは、「飲み会では1秒も気を抜かない」と言っています。
ここで、堀元さんはこう書いています。
僕はこの企画をやりながら何度も「中庸は大事だな……」と思った。
by 堀元見
確かに、ビジネス書に限らずSNSを見ていても、極端な意見が跋扈しています。
結局、ものごとの本質は中間にあったりするものです。
また、僕は「捉え方も大事」だと思いました。
本書では、「無知は武器」と「知は武器」という正反対な主張も取り上げられています。
でもこれは、捉え方が違うだけです。
どんなことも捉え方で全て変わる。
つまらない仕事も、捉え方を変えれば楽しいものになります。
悪口も同じです。
「この度の不手際、誠に慚愧に堪えません」
コラム「怒っている人に使うといい言葉」に、さまざまなフレーズが紹介されています。
その中に、かっこいい言い回しがありました。
それが、「この度の不手際、誠に慚愧に堪えません」です。
カッコ良すぎます。
物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
僕は、以前『アウトプット大全』という書籍を読みました。
アウトプットとインプットの最適な比率は、7:3だと書いてあり、すっかりそれを信じ切っていました。
しかし、堀元さんの言うように、この主張を支えているのは「暗記した量を比較する実験」であり、創造性を発揮するコンテンツ作りにそのまま当てはめることはできません。
逆に、『読みたいことを、書けばいい。』という書籍で、著者の田中さんが言っていたことがあります。
「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」
です。
僕も「調べること」を疎かにしないようにします。
この話からは、ビジネス書の中には、それっぽい実験データを根拠に主張が展開されているものがありますが、その根拠が著者の主張としっかり結びついているかを批判的な視点でみることの大切さを学びました。
特に面白かったフレーズ
読んでいて特に笑った箇所をメモしておきます。
>成功は成功を確信する人のもとに訪れる。少しでも失敗を意識すれば失敗する。
『思考は現実化する』ナポレオン・ヒル/きこ書房、p.103そういうことなので、皆さんも「強い信念を持てば必ず成功するのだ」と強く信じてほしい。ちょっとでも疑ってはいけない。これは、この世に働く現実の法則なのである。
本書は600ページにもわたって実際に強い信念で成功した事例が書いてあるのだから、この法則については疑う余地がない。絶対に疑っていはいけない。「成功したサンプルだけを集めても統計学的に無意味ではないだろうか。信念があったけど失敗した事例も集めた方がいいのではないだろうか」などと考えてはいけない。疑うものに成功は訪れない。これは、この世に働く現実法則なのである。
湯加減がちょうど良すぎる茶化し方で、天才だなと思います。
ここも笑いました。
>パソコンのパスワードを……「自分の目標」に変更することを強くおすすめします。
『神メンタル』星渉/KADOKAWA、p.174 ……は中略パソコンのパスワードを「自分の目標」にすればいいらしい。
なるほど……。僕の現在の目標は「『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』が3万部売れること」である。今日からこれをパスワードに設定しようと思う。「3man-bu」だ。
素晴らしい。これで毎日入力することになるから、目標が強く頭に刻まれる。きっと夢は叶うに違いない。完璧だ。
唯一懸念があるとすれば、他人が僕のパソコンにガンガンログインしてしまう恐れがあるということだが、そんなことは気にしてはいけない。
総務省が発表している「安全なパスワード」の要件は「他人に推測されにく」いこと(※1)であり、「3man-bu」のようなパスワードは情報リテラシー的に最悪とされているが、そんなことは気にしてはいけない。何しろ、疑う人に成功は訪れないのだから……。
※1 総務省. ”安全なパスワード管理”. 国民のための情報セキュリティサイト:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/staff/01.html.
(参照 2022-03-23)
箕輪さんは素晴らしい編集者
この本を読んでいると、なぜか「箕輪厚介さんは素晴らしい編集者だと思います。」というフレーズが2回出てきます。
感想
僕も、何冊か本を読んで「この本が言っていることは、あの本と真逆だな」と思うことは何度かありましたが、ここまで言いたい放題だとは思いませんでした。
結局、みんな好きなものを信じればいいし、楽しみたいように楽しめばいい。
そんな感じでした。
あと、ビジネス書棚は「お金」とか「時間術」とかでカテゴリー分けするのではなく、「ホリエモン」とか「ホリエモンのアンチテーゼ」などでカテゴリー分けをした方がいいように思いました。
おわりに
総理大臣を務めた麻生太郎さんは、
もう一回読みたくなる記事ってのは良い記事なんだよ。
もう一回やりたくなるゴルフ場が良いゴルフ場。
もう一回会いたくなる人がいい人なんだよ。
あれ(首相)はもう一回やりたいって職業じゃない。by 麻生太郎
と言う名言を残していますが、まさに読み返したくなる本でした。
ビジネス書は上手く使えば、背中を押してくれますが、上手くハマらないと、逆にストレスが溜まってしまうものです。
「〇〇ってビジネス書に書いてあるこれをやらないと。あれもやらないと。あー全然できてないわ。もう私ダメかも」と卑屈になった時、この本の出番です。
ショート動画を見ながらケラケラ笑う感覚で楽しめます。
【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】
当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。
書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。
また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。
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