【書評:58冊目】負ける勇気を持って勝ちに行け!(榊原信行)

目次

はじめに

今回紹介するのは、かの有名なRIZINのプロデューサーである榊原信行さんの著書『負ける勇気を持って勝ちに行け!』です。

<著者のプロフィール>

榊原 信行(さかきばら のぶゆき)

1963年11月18日、愛知県生まれ。株式会社ドリームファクトリーワールドワイド代表取締役社長。大学卒業後、東海テレビ事業株式会社に入社し、様々なイベントをプロデュース。1997年に「PRIDE.1」を開催し、2007年の売却まで唯一無二の地位を築く。沈黙を経て2015年より、「RIZIN FIGHTING FEDERATION」始動。2022年開催の「THE MATCH 2022」では、那須川天心×武尊戦を実現させ、総売り上げ50億円超を記録。伝説的なマッチメイクを実現させるなど、現在の格闘技シーンを牽引するキーマン。
ツイッター @nobu_sakakibara

最近、「Breaking Down(ブレイキングダウン)」がものすごい盛り上がりを見せています。

僕も昔はよくみていましたが、最近は見ていません。

ただ、「ブレイキングダウン」きっかけで格闘技に興味を持ちました。

「THE MATCH 2022」で那須川天心選手と武尊選手の試合は衝撃的で、今でも鮮明に覚えています。

そんな中、那須川天心選手が最近、SNSにこの本をあげていたので僕も興味を持ち購入しました。

どうしたら面白い対戦カードを実現することができるのか。

実現が難しい対戦カードを次々と展開していく榊原さんの交渉力の秘訣は何か。

などなど、編集者になる僕にとっても学ぶべきことがたくさんあると思い読み始めました。

格闘技に興味がない人やコンテンツづくりに携わっていない人でも、勇気をもらえる一冊です。

それでは、以下の内容に絞って紹介していきます。

  • 最強のマッチメーカーの思考法
  • 交渉力
  • 負ける勇気を持って勝ちに行く!
  • 補足

※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。

最強のマッチメーカーの思考法

諦めない心

この本いわく、榊原さんの最大の長所は”諦めが悪い”ところだそうです。

就職試験に落ちた時、結果に納得がいかず会社に乗り込んだ話はとても衝撃的でした。

誰もがつい見てしまうような熱い試合を組めるのも、粘り強い交渉があるからこそなのでしょう。

この本で印象に残った言葉を引用させていただきます。

諦めさえしなければ、時間が掛かろうと多少形が変わろうと、必ず実現することができる

どうしたら自分の思い描いたことが実現するのか。

どう説明して社内稟議を通してもらうか。

どうしたらスポンサーがメリットを感じてお金を出してくれるか。

こういったことを、常に考えていたそうです。

僕の大好きな漫画『進撃の巨人』に登場するミケ・ザカリアスも似たようなことを言っていました。

人は戦うことをやめた時初めて敗北する

戦い続ける限りは
まだ負けてない

出典:進撃の巨人 コミックス9巻©︎諌山創/講談社

大切なことは、諦めない姿勢なのです。

また同時に、著者は「未来を見据えた仕込みを忘れずに」と言っています。

目標から逆算していますべきことにはしっかりと取り組みましょう。

自分から仕掛ける

榊原さんが意識していることとして、自分から仕掛けるということがあります。

受け身ではなく、能動的に動く姿勢です。

ディレクターというよりは、プロデューサーでしょう。

もちろん、言われたことを忠実に実行することも必要不可欠です。

しかし、それ以上に大切なのは全体を俯瞰するプロデューサーの視点です。

ただ、自分のつくりたいものをつくれば良いというものではないのです。

限られた予算の中でプロジェクトを完遂させなければなりません。

そういった全体を俯瞰するプロデューサーを全員が目指すべきなのです。

プロデューサー視点を持つことのメリットは2つあります。

1つ目は、多くの人を巻き込めること。

2つ目は、自分自身でかすり傷を作りながら進んでいくことで、経験値が溜まっていくことです。

つくったコンテンツがどれだけヒットするかなど正直予測不可能です。

しかし、ある程度経験値があればそれなりに予想することができるようになります。

俯瞰してみる鳥の眼

プロデューサー視点をもてという話にも重なりますが、俯瞰してみる鳥の眼を持つことは大切です。

榊原さんは、PRIDEの代表を務めていた時期から、試合のマッチメイクを担当する社員たちと頻繁に意見を交換を行っていたそうです。

そうすることで、当事者として多くの社員を巻き込むことができます。

時には黒子に徹する

みなさんは、「THE MATCH 2022」の那須川天心×武尊の試合を覚えているでしょうか。

Full Fight | 那須川天心 vs. 武尊 / Tenshin Nasukawa vs. Takeru – THE MATCH 2022

あんなに盛り上がった試合は、そうそうないことでしょう。

誰もがみてみたいと思ったマッチメイク。

これを実現させるために、どれだけの苦労を費やしたことでしょうか。

まさに、榊原さんをはじめとして大会に関わった方達が粘り強く交渉したからこそ、実現した試合だと思います。

そんな中、榊原さんは当日黒子に徹していたそうです。

なぜなら、大会のコンセプトが「みんなで大会をつくる」だったからです。

時には、先頭に立ってみんなを引っ張る。

また違う時には、黒子に徹してみんなに手柄を分け与える。

こんなことができるリーダーだからこそ、みんなに尊敬されているのだと思いました。

交渉力

実現困難なマッチメイクを次々と行う榊原代表。

どういったテクニックを持っているのでしょうか。

今回その謎を解き明かします。

超人たちの口説き方

2018年に行われたフロイド・メイウェザー×那須川天心の試合も衝撃的でした。

Full Fight | フロイド・メイウェザー vs. 那須川天心 / Floyd Mayweather vs. Tenshin Nasukawa – RIZIN.14

メイウェザー選手はファイトマネーがとても高いことで有名です。

通常の興行収入ではメイウェザー選手をリングにあげることはできません。

そこで、那須天心選手をサポートするスポンサーとの下交渉に臨んだそうです。

試合を行うことで、どんなメリットがあるのか、どんな社会現象を起こせるのかなどをメイウェザー、天心両サイドに説明する。

また、手紙で想いを伝えたりもする。

選手たちがリングで熱い戦いを繰り広げると同時に、榊原さんは天心とメイウェザーの両者と戦いを繰り広げていたのです。

”土産”は交渉の切り札

交渉において大切なことは、相手の強みや弱みを握ることではありません。

相手の立場で物事を考える」ことです。

先ほどのメイウェザー選手と天心選手の試合が実現する前、メイウェザー選手は出場に消極的になったことがあったそうです。

なぜなら、「母国のボクシング界を刺激したくない」という思いがあったからです。

ただし、試合をしたいという思いはありました。

そこで、榊原さんは北米で試合を放映することを断念します。

多額の放映権料を得る権利を捨て、信頼関係を優先したのです。

これは、まさに橋下徹さんの著書『交渉力』で紹介されていた交渉術と似ています。

相手の譲れる範囲と譲れない範囲を理解する。

そして、自分の譲れることと譲れないことを整理する。

実際の交渉の場では、譲歩カードを切っていく。

これこそが、交渉を成功させる秘訣なのです。

断られてからが仕事

僕は何度もこの章を読み直しました。

いや、この章を読むために、本を買ったと言っても過言ではありません。

那須川天心選手が、SNSにこの章の写真をあげていたのです。

僕は背中を押してもらいたかったのかもしれません。

先ほども紹介した「THE MATCH 2022」の那須川天心×武尊の試合。

この試合を実現させるまでに、何度も断られたそうです。

しかし、榊原さんは諦めることなく食い下がって何度もアタックを繰り返しました。

その結果があの試合です。

大事なことは、色々な角度からボールを投げてみること。

野球のピッチャーのように、様々な変化球を投げて打者の様子を窺う。

相手の要望と自分の譲れないラインを整理して、交渉に臨む。

この姿勢が大切なのです。

負ける勇気を持って勝ちに行く!

負ける勇気を持って勝ちに行く!

これは、この本の中で一番著者が伝えたかったことかもしれません。

言い換えれば、リスクを恐れずに攻めるになります。

また見たいと思わせられるか

試合である以上、もちろん勝ち負けは重要な要素になります。

しかし、それ以上に重要なことがあります。

それは、お客さんに「また見たいと思わせられるか」です。

つまり、試合に負けてしまっても全て終わりではないのです。

むしろ、アグレッシブに攻めた結果負けてしまった選手は評価を上げます。

実際、「THE MATCH 2022」で武尊選手は負けてしまいましたが、評価を下げたわけではありません。

本の中で印象に残った文章を引用させていただきます。

 勝とうと思ったら、リスクを恐れずに攻めなければならない。たとえそれで負けたとしても、私たちが評価を落とすことはない。
 むしろ、勝つためにアグレッシブに攻めた結果、一本取られたとか、KOされたとかというような選手は評価が上がる。

東京オリンピック2020を思い出してください。

スケートボード男子ストリートの初代チャンピオン・堀米雄斗選手は、あの追い込まれた場面で大技を選択していました。

まさに、「負ける勇気を持って勝ちに行った」のです。

だからこそ、感動させてもらうことができ、「またみたい」と思わされたのかもしれません。

補足

この本を読んで、諦めないことの大切さやみている人を楽しませようとすることの大切さを学ぶことができました。

それに関し、最近ハマっているYouTuberと重なっている点があると思ったので少し、触れさせていただきます。

ちょんまげ小僧さんとフィッシャーズさんのコラボ動画をみて

昨今、「ちょんまげ小僧」という中学生のグループYouTuberがものすごい勢いでチャンネル登録者を伸ばしています。

バズっている理由を複数考えました。

  • メンバー間で純粋に仲が良いから
  • みていて面白い(特に最初の挨拶)
  • 中学生グループというのが斬新

特に、仲が良いのが僕は理由だとおもいます。

ついつい「またみたい」と思ってしまうのです。

先日は、フィッシャーズさんとコラボしていて、シルクロードさんがとても印象的なことを言っていました。

数字にとらわれず、視聴者を楽しませようという気持ちを忘れずに

フィッシャーズさん側の動画

【ひき肉です】ちょんまげ小僧とテンション0.100%で大爆笑wwwwww

ちょんまげ小僧さん側の動画

【コラボ】フィッシャーズさんと叩いて被ってジャンケンポン対決!!

おわりに

この本は、榊原さんの経験をもとにコトバが紹介されているのでとても説得力がありました。

僕も夢を達成するまで諦めずに進んでいきたいと思いました。

ちなみに、現在榊原さんが代表を務めるRIZINは「FIFAクラブW杯」のような各プロモーションが威信をかけて戦う場所を目指しているそうです。

みんなで、今後を見守っていきましょう。

また、この本には「ダイナミック・プライシング」の話や「NFTチケット」の話も取り上げられていました。

とても興味深い内容でしたので、本屋で覗いてみることをおすすめします。

【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】

当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。

書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。

また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。

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