はじめに
今回はメタバースの最先端を行く佐藤航陽さんの著書『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』を紹介します。
佐藤航陽(さとう かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学法学部在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビックデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8カ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。累計100億円以上の資金調達を実施し、年商200億円規模まで成長させる。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。衛生データから地球全体のデジタルツインを自動生成するAIを開発。現在も「テクノロジーで新しい宇宙を創り出す」ことを目的に研究開発を続けている。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30Under 30 Asia)や「日本を救う企業かベスト10」に選出される。著書『お金2.0』が20万部を超えるベストセラーとなり、2018年のビジネス書で売上日本一を記録した。
僕がこの本を購入したきっかけは、「岡田を追え」というYouTubeチャンネルでこの本が紹介されていたからです。
なんと、この本は天才編集者と呼ばれる箕輪厚介さんの編集した本なのです。
以上のように、SNSでもかなりの盛り上がりを見せています。
さらに、「メタバース」と「Web3」は政治の世界でも盛り上がってきました。
このような盛り上がりを見ると、箕輪さんは本当に「プロセスエコノミー」が上手いと感じます。
『世界2.0』は、メタバースの専門家に向けた本ではありません。
おそらく、若者やお年寄りの方など、メタバースについてよくわからない人向けに書かれています。
そして、好奇心旺盛な人の目にとまり、人生を大きく変える一冊になることを目指している本であると僕は感じました。
それでは、以下のポイントに分けて紹介します。
- メタバースについて
- 世界の創り方
- メタバースの未来
- 補足
※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。
メタバースについて
メタバーストは
メタバースについて簡単に説明すると、インターネット上に作られた3次元の仮想空間です。
この「メタバース」という言葉は、1992年のニール・スティーヴンソンさんの小説『スノウ・クラッシュ』に初めて登場しました。
超越するという意味の(meta)と宇宙という意味の(universe)が合わさってできた言葉になります。
みなさんは「マインクラフト」や「フォートナイト」、「どうぶつの森」といったゲームをやったことはあるでしょうか。
「メタバース」のイメージは、これらのゲームに近いです。
僕はかつて、「カズクラ」というマインクラフトのゲーム実況にハマりました。
つまりこれは、僕がカズさんの作った世界に没頭していたのです。
これからの世界は、みんながXアカウントのように世界を創っていく時代になることが予想できます。
日本の経済復興の希望
「メタバース」は日本に希望をもたらしてくれるものです。
インターネットが多くの人のもとに普及した現在、GAFAと呼ばれるアメリカの企業が世界の時価総額でトップに君臨しています。
かつては、勢いのあった日本企業もGAFAにうまく対抗できたいないのが現状です。
そんな中、希望となるのが「メタバース」です。
なぜ、「メタバース」に期待できるかというと、日本には「地の利」があるからです。
「鬼滅の刃」や「NARUTO」、「ポケモン」など世界的も知名度のあるコンテンツが多くあります。
さらに、それらのコンテンツを生み出す優秀なクリエイターがいます。
そして、魅力的なコンテンツにお金を払う国民がいます。
つまり、日本には「人材・知財・文化」の三拍子がしっかりと揃っているのです。
これから、時代の波に乗ってくる産業として、宇宙産業や量子コンピュータがあります。
しかし、これらは軍事産業に多大な国家予算をつけられる大国や兆単位で投資をできる大企業が有利になります。
よって、「メタバース」は日本復興の鍵となるのです。
「神」の民主化とは
インターネットの普及によって、これまで特権階級やお金持ちだけが握っていた情報が一般の人にまで届くようになりました。
そして、誰もが情報発信をできるようになりました。
これは、情報の民主化です。
では、「神」の民主化とはどのような意味なのでしょうか。
それは、誰もが世界を創れるようになったということです。
これまで、世界を創るという能力は「神」にのみ許されていました。
それが、テクノロジーの発達により、民主化されました。
つまり、誰でも世界を創れるようになったのです。
帯にあるように、メタバーストは「神」の民主化なのです。
メタバースを理解するためには、世界を理解する必要があります。
世界については、後の章で詳しく紹介します。
世界の創り方
世界の仕組み
最近は、「メタバース」という言葉がバズワードとなっています。
そのため、Amazonなどで「メタバース」と検索すると、たくさんの本が表示されます。
この本が、他のメタバース本と違うのはまさにこの「世界の創る方」が書いていることです。
この本のオリジナルの部分といえます。
最初僕は、「世界の創り方なんか知ってもなんの役にも立たないじゃないか、誰に向けて書いているのだろうか」と思っていました。
しかし、この世界の創り方はさまざまなものに応用できます。
また、「メルカリ」や「Amazon」などのサービスにも当てはめて考えることもできます。
それでは、世界の創り方を紹介します。
世界は「視空間」と「生態系」から成り立っているそうです。
視空間
視空間もさらに2つの要素に分けることができます。
①「人間(アバター)」と②「景色(フィールド)」です。
①については、リアルな人間を再現していく方向とVTuberに代表されるようなキャラクターでやっていく二つの方向があります。
リアルな人間を再現するには、「不気味な谷」現象と呼ばれるものを克服する必要があります。
②に関しては、著者のツイートに僕は驚きました。
2022年4月13日にこの本の著者である佐藤さんは、自身のTwitterで以下のようなツイートをしていたのです。
ここまで、再現できるようになっていることに僕はとても驚きました。
バーチャル世界で学校に通うようになる未来が訪れるかもしれません。
生態系
ここで「生態系」といってもとてもイメージしづらいかもしれません。
小さな括りで言うと「コミュニティ」みたいなものです。
つまり、人間同士の繋がりや社会といったものを表しています。
生態系には、主に3つの特徴があります。
- 分散的
- 有機的
- 自律的
これらの特徴を全て兼ね備えた理想的姿が自然界です。
それぞれが、自律的に存在し、有機的に繋がっています。
そして、中央集権的に誰かの指示で動いているわけではなく、分散的です。
この本には、生態系をどのように構築するか、また、どのように生態系を強化していくかなどが書かれています。
秋元康さんの話などもあり、とても面白い内容でした。
ここにある生態系の話は、ブログ活動にもかなり応用できるなと感じたので、ブロガーの皆さんにもお勧めです。
メタバースの未来
NFTとの関係
NFTとは、Non-Fungible Token の略です。デジタル所有権とも訳されます。通常、デジタルデータは簡単にコピーできます。そんな中、ブロックチェーンの技術を使うことで、デジタルデータに希少性を与えることができるようになりました。
僕は、この技術に関して勉強が足りていないので、今後NFTに関する本を読んで紹介していきたいと思います。
さて、NFTの技術との関係ですが、よくメタバースとNFTを一緒のものだと勘違いするケースがあるそうです。
たしかに、メタバースとNFTを融合したプロジェクトが実績を出し始めています。
しかし、重要なのはメタバースとNFTは違うものだという点です。
メタバーストとNFTを融合したプロジェクトがたくさんのユーザを巻き込んで世界的に普及するのには、もう少し時間がかかると著者はいいます。
Web3との関係
かつては、情報の流れは一方通行でした。
しかし、以下のようにWebが進化すると、さまざまな機能が実装されていきます。
- Web1.0: 情報発信を個人ができるようになった。
- Web2.0: 通信速度などの技術が向上し、リアルタイム性能が加わった。
Web2.0の時代には、多くのユーザを獲得したGAFAやBATと呼ばれる企業が世界的に力をつけていきます。
そして、プラットフォームを提供するそれらの企業が、多くのユーザの情報を中央集権的に管理するようになるのです。
よって、それらの企業が提供するサービスが使えなくなると、生活にかなり大きな影響を及ぼしてしまうという問題が生じます。
そのような状況で登場したのが、Web3.0という概念です。
これは、ユーザのデータを非中央集権的・分散的に管理しようというものです。
Web3.0と「メタバース」は別物ですが、これらの技術をうまく使って今後活躍していくのはクリエイターだそうです。
量子コンピュータとの関係
量子コンピュータについては、未だ未知の部分が多いです。
ですが、将来「メタバース」と融合していく可能性があります。
現在のVR技術や3DCGの技術は、ハードウェアの面で少しクオリティを妥協していると著者はいいます。
しかし、圧倒的な計算力を誇る量子コンピュータが実用化されれば、現実世界を「メタバース」上に再現できるかもしれません。
BMI技術との関係
BMI:BMIとは、Brain-Machine Interface の略。脳とコンピュータを接続する新しい技術。
脳とコンピュータを繋ぐことができれば、頭の中で念じただけで「メタバース」上の世界を動き回ることができます。
思いVRゴーグルをつけたり、広いスペースを実際に動き回る必要がなくなるのです。
イメージとしては、「劇場版 名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊」に出てくるゲーム機に近いと思います。
AmazonPrimeビデオで見れるので、ぜひみてみてください。
とても面白い内容でした。
補足
進撃の巨人と絡めて
ここまで読んでくださった方は、メタバースが社会に与える影響を少しはイメージできるようになったと思います。
これからは、複数の世界が並列して存在するようになるのです。
現実世界に絶望しても、自分の好きな世界で生きることができます。
これまでは、世界を変えるためには他者と争わなくてはいけませんでした。
旧勢力と新勢力との争いは、歴史を見ても絶えず行われています。
僕は『進撃の巨人』という漫画がとても好きなのですが、この漫画には次のような一幕があります。
このシーンは、自分が正しいと思う世界を実現しようとしても、時代が変われば今度は自分が牢屋の中に入ってしまうということを表していると思われます。
正義というのは一つしかないわけではありません。
人の数だけ正義があります。
メタバースにより世界を創れるようになれば、世界を変えるために争う必要はなくなります。
限られた席を奪い合う椅子取りゲームは終わったのです。
これからは創造の時代になります。
世界を変えたければ、新しく世界を創れば良いのです。
関連動画
関連として著者が出演している動画を掲載しておきます。
おわりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
今回の記事を読んで気になった方は、この本をぜひ手に取ってみてください。
また、メタバースを創りたいという方はぜひ以下のサービスを触ってみてください。
- Unity
- Unreal
- Blender
そして、一緒にこの動画を視聴することをお勧めします。
とても視野の広がる内容でした。
佐藤さんの「世界2.0 メタバースの歩き方と造り方」と國光さんの「メタバーストWeb3」の違いがわかります。
【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】
当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。
書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。
また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。
しかし、万が一行き届かない点があり、記事の削除を望む所有者様がいましたら、お手数ですが、
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