【書評:54冊目】書籍編集者を目指すあなたが読むべき本(箕輪厚介)

目次

はじめに

今回は、箕輪厚介さんの著書『書籍編集者を目指すあなたが読むべき本』を紹介します。

<著者のプロフィール>

箕輪 厚介(みのわ こうすけ)

幻冬舎 編集者。早稲田大学卒業後、双葉社に入社。『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊し完売。『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)などの編集を手がける。幻冬舎に入社後は、新たな書籍レーベル「NewsPicks Books」を立ち上げ、編集長に就任。『多動力』(堀江貴文)、『日本再興戦略』(落合陽一)のほか、2019年んい一番売れたビジネス書『メモの魔力』(前田裕二)など次々とベストセラーを出す。自著『死ぬこと以外かすり傷』は14万部を突破。雑誌『サウナランド』は2021年のSaunner of the Yearを受賞。2022年『死なばもろとも』(ガーシー)を出版。

僕は、現在就職活動をしていて、編集者に憧れを持っています。

そんな中、このキャッチーなタイトルに目がいってしまい購入しました。

内容が体型的にまとまっていて、なんと15分ほどで読み終わりました。

この本は編集者を目指している方はもちろん、仕事や恋愛で結果を出したい方にもおすすめです。

それでは、以下の項目に分けて紹介していきます。

  • 編集者が経験する困難
  • 突破方法
  • 口説き方
  • 本の創り方
  • 補足

※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。

編集者が経験する困難

編集者が経験する困難がなぜ起こるのかをわかりやすく解説してくれています。

著者がいない

なんといっても、「本を書いてくれる著者がいない」というのが最大の悩みでしょう。

そもそも、日本に売れるものを書ける著者は50〜100人程度だそうです。

そんな数少ない著者をたくさんの編集者が取り合うのです。

出版社同士の取り合いもあれば、社内での取り合いもあります。

すでに社内で担当者がいる場合、その著者に企画を持っていくことはできません。

恋愛と同じく、「早い者勝ち」なのです。

売れる著者は、すでに先輩社員が担当しています。

悪い言い方をすれば「既得権益化」しているのです。

SNSで活躍するインフルエンサーの本は売れない

そんな中、新人編集者に残された道もあります。

それが、SNSで活躍するインフルエンサーです。

先輩社員が足を踏み入れていない領域、つまり未開の地です。

しかし、著者は「『SNS有名人』の本は売れない」と言います。

若者の本離れも1つの理由です。

もう一つの理由は、紙の本をつくるよりnoteなどネットメディアで発信した方が収益になる場合があるからです。

よって、SNSで活躍するインフルエンサーに頼んでヒット作品を創ることは非常に難しいのです。

「テーマ」を考えて本をつくる

次に考えられるのは、売れる著者に書いてもらうのではなく、「テーマ」で勝負するというものです。

ただし、これも注意が必要です。

なんと、時代の流れを嗅ぎ分け、人々の求めているものをつくれる人は編集者全体の1%ほどだそうです。

そのほかの99%は過去作の焼き直しをすることになります。

たしかに、以前紹介した『1%の努力』いう本がヒットした後に、『1%の〇〇』など似たようなタイトルをした本は多い気がします。

また、タイトルだけではなく、テーマも似たようなものになります。

つまり、ベストセラーの焼き直しをしているだけになってしまうのです。

売れれば良いですが、真似たもので売れるのはそう簡単なことではないそうです。


ここからは僕の意見を書きます。

もちろん、真似をして結果を出すことは難しいです。

しかし、やり方次第だとも思います。

実際、『アドラー心理学』の本が『嫌われる勇気』とかたちを変えて出版され、ベストセラーになりました。

僕は大学で履修した芸術の授業の中で、「芸術は時代に合わせて、つくりな直されていく」ということを学びました。

その時代の人々が飲み込みやすいようにしていくことで、ヒットを飛ばせる可能性があるのです。

僕は最近、猛烈にきゃないさんの曲にハマりました。

そんな中、YouTube上にアップされているMVのコメント欄を見ていると、「パクリ」という文字がありました。

でも、これはいけないことなのでしょうか。

芸術は過去作のオマージュをするものです。

「パクリ」ではなく、「オマージュ」と表現して欲しいものです。

突破方法

圧倒的努力で口説く

では、多くの編集者が経験する「著者がいない」という悩みをどう打ち破れば良いのでしょうか。

それは、「圧倒的努力」で口説くことに尽きるそうです。

何かとっておきの方法があるのかと思ったのですが、そうではありませんでした。

しかし、ポジティブに捉えると「圧倒的努力」をすれば、良い著者と仕事ができるとも考えられます。

この「圧倒的努力」という言葉は、見城さんの本にありました。

一番最初は、一番の大物にアプローチ

ここが僕自身、一番衝撃を受けました。

あまり売れていない著者と本を作って、少しずつ大物にアプローチする方法が一般的だと考えていたからです。

しかし、箕輪さんは「一番最初こそ、一番の大物にアプローチしよう。」と言います。

言い換えれば、

階段は上から降りろ!

です。

実際、著者の最初の作品は与沢翼さんの『ネオヒルズジャパン』という雑誌であり、見城徹さんの『たった一人の熱狂』や堀江貴文さんの『逆転の仕事論』でデビューを飾っています。

最初に、「この人はこんなもんだ」と思われたら終わりなのです。

サッカーの中田英寿選手や香川真司選手も周りからの評価が定まる前、つまりデビュー戦でゴールを決めています。

編集者もデビュー作で新聞に載るほどインパクトを残すべきなのです。

これは、以前紹介した『異端のすすめ』にも似たようなことが書いてありました。

改革をするなら、まず大きなものをする。

そうすると、小さな改革がどんどんできるようになる。

まずは、創りたい本の分野の中で一番の大物を「圧倒的努力」で口説くべきなのです!

自分の力で口説く

その際、先輩のツテなどあてにしてはいけません。

自分の力で、口説かなければならないのです。

自分の力で口説くからこそ、良い評判が業界内に広まり、次から次へと著者が見つかるのです。

口説き方

ブンセキ

「1番の大物にアプローチ」といっても、とても難しいことは事実です。

そこで、口説くために必要なことがあります。

それは、「こいつとなら仕事をしてもいいか」と思ってもらうことです。

そのように思わせるためには、「こいつ、俺のことよくわかってるな」と感じさせる必要があります。

そのために必要なのが「ブンセキ」です。

ブンセキ

相手の気持ちを、性格、人間性を正確に想像すること。

自分ですら気づいていない本性までを的確に言語化する。

著者が、見城さんにアプローチをしたときは、徹底的に調べ、手紙を書いて熱い想いをぶつけたそうです。

ただし、熱い想いをぶつければいいというわけでもありません。

その人を「ブンセキ」して、相手の求めるものを提供する必要があります。

堀江さんに初めてアプローチしたときの経験が以下の動画で述べられています。

誰もあなたのことは知らない

よって、大物著者を口説くためには、ネット上にある動画や過去の書籍を徹底的に調べ、その人の気持ちがわかるレベルまで到達する必要があるのです。


僕の最近ハマっているシンガーソングライターのきゃないさんの曲は本当にすごいです。

何がすごいのかというと、憑依レベルで人々の「ブンセキ」がされているところです。

「あーそうそう。こんな経験した時、こう思った。」ということをうまくコトバにして、曲に乗せてくれます。

ビジネスマンにとって重要事項

この「ブンセキ」は編集者のみならず、多くの人にとって使える方法です。

ビジネスにおいても必要ですし、なんといっても恋愛においても必要でしょう。

本の創り方

「著者がいない」という悩みがなぜ起きるのから始まりました。

そして、1番の大物にアプローチすることの重要性が説明されていました。

次に必要なのは、本をつくることです。

この一番最初のデビュー作で大物著者にアプローチできたとしても、売り上げを出すことができなければ編集者人生は終わります。

信用は失い、業界内に悪い噂が広まるからです。

そうならないためにも、著者が本創りのエッセンスを教えてくれています。

  1. タイトル決め
  2. 目次決め
  3. インタビュー
  4. 執筆
  5. 編集
  6. 宣伝

タイトル決め

いいタイトルとは、「まだ言語化できていない人々の欲望や悩みを先回りして代弁してあげる」ものだそうです。

まさに、きゃないさんの曲の歌詞です。

その際、「否定」ではなく「肯定」が大事だと言います。

金を出してまで、自分のことを「否定」されたい人はいないのです。

目次決め

目次を決めないでインタビューするのは、レシピを見ないで調理するのと同じ。

箕輪さんは、本を創るときに宣伝まで一緒に考えているそうです。

新聞やテレビにどう取り上げられるか。

取り上げられやすいように、どこの部分にエッジを効かせるか。

これらを考えながら目次を決めているそうです。

インタビュー

インタビューをする際に大事なのは、いかに著者の本性やエピソードの裏話を引き出せるかです。

そこで大事なポイントは以下のものだそうです。

  • 自分で結論を決めつけない
  • 徹底的に準備して、あえて全て捨てる
  • 「10」では足りない。踏み込んで「12」聞く

準備は大切だが、それを捨てて自分の本当に聞きたいことを聞く。

そうすることで、本には書けなくても著者の本質的な部分が引き出せると言います。

執筆

超一流のライターさんの出番です。

著者に憑依して文章を書けるライター、それが超一流のライター。

ライターさんは企画の初期段階から関わっているそうです。

編集

ライターと同様、超一流の編集者は、誰かに憑依して原稿を読める人。

ターゲットになりきって読むことで、面白いところやつまらないところがわかります。

宣伝

宣伝と編集はワンセット。

つくっている最中にプロモーションも考えるそうです。

補足

ここまで、編集者やビジネスマンに大事なことを紹介してきました。

最後に、著者である箕輪さんのYouTubeライブで僕は人生相談をしました。

そのときの回答が、とても印象的だったので共有して終わります。

Q: 好きだった人に彼氏がいることを知りました。すぐに行動を起こせなかった自分に後悔しています。気持ちの切り替え方を教えて欲しいです。

この質問に対する、箕輪さんの回答は以下の通りです。

A: まず、恋愛に限らず仕事もそうなんだけど、すぐに行動を起こしたからうまくいったかってわからない。それって今、そう思いたいだけで、「あのとき、あーしてれば」みたいなもの。でも、多くの場合って、そのとき、そうしててもたいしてまくいってないことが多い。なんか、過去の行動を反省したり悔いることによって、今の現状を自分に納得させるっていう思考回路なんですよ。すぐに行動を起こせなかったから、今、彼氏がいることを知ってしまってうまくいっていないみたいな。実はそんなの関係ない。すぐに行動を起こしていても振られていたかもしれないし、もっと辛かったかもしれない。そのとき、「彼氏います」って言われるかもしれないじゃん。だから、あんまり関係ない。

で、ぶっちゃけ彼氏がいようがいまいが、あなたの方がその人にとって魅力的だったら付き合えます。だから、今から行動を起こせばいいだけです。って感じです。今彼氏いようが関係なくて、「彼氏いる」って言われても「いや、それでも好きなんだけど」って言う。ってか、本当にかわいい子とかいい子とかで彼氏が完全にいない子なんて、むしろないよ。彼氏がいるときの方がチャンスじゃない?彼氏がいない時って、全人間選びモードだから、むしろ、競争率が高い(=レッドオーシャン)。でも、彼氏がいる時って、その彼氏のことしか考えていないから、その彼氏に対して不満があったり、ダメだなって思うところがあると、その時期に自分がいて「この人の方がいいや」ってなったら、ライバルは一人だけじゃん。でも彼氏がいないときは、いろんな人に対して全人が候補だからそっちの方が厳しくて、彼氏いる方がチャンスじゃない?

おわりに

本書は、編集者のみならず、多くのビジネスマンにとって活躍するヒントとなる一冊でした。

新人編集者のバイブルです。

また、以下の動画もおすすめです。

【著者はバケモノだらけ!?】ガーシー、ホリエモン、井川さんを担当する編集者箕輪厚介に制作裏話を聞いてみた

【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】

当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。

書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。

また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。

しかし、万が一行き届かない点があり、記事の削除を望む所有者様がいましたら、お手数ですが、

・Twitter DM:

https://twitter.com/bookrecord_

・メール:

all.roads.lead.to.rome.shin@gmail.com

までご連絡いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次