【書評:30冊目】スマホ脳(アンデシュ・ハンセン)

目次

はじめに

今回はコラボ企画第2弾です。

コラボしてくださるのは、さくら(@sakuramamalife )さんです。

さくらさんのブログはこちらになります。

https://sakura-mamalife.com/

そして、今回おすすめしていただいたのはアンデシュ・ハンセンさんの著書『スマホ脳』です。

アンデシュ・ハンセンさんは精神科医です。

さらに、ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学を卒業後、ストックホルム商科大学にて経営学修士(MBA)を取得しています。

ベストセラーとなった『一流の頭脳』という本の著者でもあります。

今回紹介するのは、そんなアンデシュ・ハンセンさんの本になります。

最近、僕はとてもスマホをいじってしまいどうにかしたいと思っていました。

なので、今回の本はとても読みたかった本でもあります。

今週はまだ良い方で、10時間を超える日がとても多いです。

危機感を持った方がいいです。

この本を読めば、表紙に書いてある「なぜ、スティーブ・ジョブスは自分の子供のスクリーンタイムを厳しく制限したのか」がわかります。

今回の本は、スクリーンタイムが2時間を超えてしまうような方におすすめです。

それでは、以下のポイントに分けて紹介していきます。

  • 人間はどのように進化してきたか①
  • 人間はどのように進化してきたか②
  • スマホ社会と人間のミスマッチ
  • 対抗策
  • ホリエモンの考えを踏まえての持論

※本の要約ではなく、僕が吸収したことのアウトプットです。多少内容が異なっている部分や僕の意見が混ざっています。記事の削除を希望される著作権者の方は、お問い合わせフォームよりお知らせください。即刻、削除いたします。

人間はどのように進化してきたか①

私たち人間は太鼓の昔から存在していました。

そして、人類は多くの間、狩猟をして生活していたのです。

つまり、ライオンなどの脅威が身の回りにある状態でした。

私たちの先祖は、そんな状態でも生き残れるように進化してきたのです。

カロリー要求と糖尿病

例えば、体の栄養分がなくなるとお腹減ります。

カロリーを欲しがるのです。

そんなカロリー要求が、餓死で死ぬことを回避するのに貢献してきました。

しかし、現代では餓死で死ぬことはほとんどありません。

食料が昔よりも容易に手に入るようになったのです。

その結果、過去にはなかった肥満や糖尿病という問題が発生しました。

これは、人間が進化の過程で手に入れた特徴と現代社会のミスマッチによって引き起こされている問題です。

人間は現代社会に対応できていないと言えます。

感情

また、周囲の脅威から逃れるために、人間は”感情”というものをうまく利用してきました。

脅威を目の前にした時、理論的にゆっくり考える時間はなかったのです。

つまり、”感情”は人間に瞬時に行動を取らせることに貢献してきました。

しかし、現代社会ではその”感情”がうつ症状を引き起こすことにも寄与してしまっています。

ネガティブ本能

ネガティブなことに強く反応してしまうのも、人間が進化の過程で手に入れた特徴でしょう。

『ファクトフルネス』という本の言葉を借りると、人間にはネガティブ本能があるのです。

人間はどのように進化してきたか②

人間が進化の過程で獲得してきた特徴は他にもあります。

ストレス・不安・うつ病などです。

ストレス

人間の脳には「HPA系」というシステムがあります。

脅威に対して作動すると、ストレスホルモンであるコルチゾールという物質を分泌します。

すると、筋肉に大量の血液を送るため心拍数が上がります。

そうすることによって、人間の体は戦闘モードに入るのです。

常に「闘争か逃走か」という世界にいたので、このストレス症状は生き残るために必要だったのでしょう。

不安

では、不安はなんのためにあるのでしょう。

試合前に不安になって心が乱れるよりは、精神状態が安定していた方がいいように思えます。

しかし、不安も人間が生き残るためには必要でした。

不安は脅威になり得るものに反応し、「HPA系」を作動させます。

そうすることで、事前に戦闘モードに入れるのです。

脅威が目の前に来る前に、準備をしておくことに越したことはありません。

このシステムを「火災報知器の原則」といいます。

うつ症状

僕は、うつにも役割があったことに驚きでした。

この本を読むことで、うつ病になっても自分を責めなくても良いことに気づきます。

なぜなら、うつ症状も人間が進化の過程で獲得してきた特徴だからです。

決してあなたのせいではないのです!

うつは一つの遺伝子によって引き起こされるわけではありません。

いくつかの要因が組み合わさってうつ症状を引き起こします。

うつを引き起こすかもしれない遺伝子には主に2つの役割があります。

  • 免疫系を正常にすること
  • 感染症から距離を置くこと

この2つです。

2つ目の「感染症から距離を置くこと」は、まさにうつ病を発症することによって達成されます。

その時、脳は感情を利用するのです。

うつ病は、ストレスフルの状態の後に起こることが多いそうです。

つまり、脳が危険がたくさんある場所から距離を置こうとしてくれるのでしょう。

ドーパミン

この本でも特に鍵となるのがこの「ドーパミン」という物質です。

聞いたことがある人も多いでしょう。

私たちに幸福を与えてくれる物質である反面、依存症を引き起こす可能性もある物質です。

『精神科医が見つけた3つの幸福』の著者である樺沢紫苑さんの言葉を借りれば「もっともっと」の物質です。

ドーパミンは私たちの行動の原動力にもなります。

人間に知識欲があるのもドーパミンのおかげです。

周囲の状況をより知っている方が、生き残る確率が高くなります。

つまり、この物質は色々な脅威に目を配ることに貢献してきのです。

スマホ社会と人間のミスマッチ

これまで、人間が進化の過程で手に入れた能力を紹介してきました。

しかし、現代社会はとてつもないスピードで変化し続けています。

そんな現代社会に人間は適応できているのでしょうか。

適応できていないために生じる影響がいくつかあります。

  • ドーパミンとマルチタスク
  • 極端なスマホの使用がストレスと不安を引き起こす
  • 不眠症を引き起こす
  • SNSによって精神状態が悪化する
  • スマホによる悪影響のまとめ

ドーパミンとマルチタスク

スマホの登場によって、たくさんの情報を得ることができるようになりました。

画面を見ることによって、多くの情報を獲得できるのです。

そして、スマホの画面を見ている時、人間の脳はドーパミンを分泌します。

「もっともっと」情報を手に入れようとするのです。

皆さんは、食事をしているときに通知がなって気になってスマホを手にした経験があるでしょう。

勉強や読書をしているときにスマホが気になってしまいスマホを手に取った経験もあるでしょう。

このように、色々なことを同時に行う「マルチタスク」にはさまざまな影響があります。

昔は、集中力を分散することは生き残るために必要でした。

しかし、現代社会ではADHDなどと分類されてしまうのです。

「マルチタスク」をすることによって、集中力の低下や記憶力の低下が生じます。

同時に作業をすることは人間にはできません。

実際は、こまめに作業を切り替えているだけなのです。

そのため、集中する対象をコロコロ変えることになります。

よって、なかなか集中することができません。

集中して物事に取り組んでいないので、記憶するプロセスも妨害されます。

記憶には作業記憶(ワーキングメモリ)などの短期記憶と長期記憶があります。

人間は、集中して取り組むことによって作業記憶に記憶します。

そして、睡眠している間に長期記憶に移動するのです。

しかし、集中していないと作業記憶に記憶することすらできません。

”マルチタスク”については『超時間術』にもありました。

極端なスマホの使用がストレスと不安を引き起こす

スマホはドーパミンをたくさん与えてくれます。

そのため、スマホをいじっていないとストレスを感じてしまう人がいるのです。

また、スマホをなくすと不安になります。

ドーパミンをたくさん与えてくれるものを失ったからです。

そして、人間は長期間ストレスに晒されることになるのです。

すると、うつ症状を引き起こしてしまったりします。

不眠症を引き起こす

なぜ、寝る前にスマホを見ると寝つきが悪くなるのでしょうか。

2つの理由が考えられます。

1つが、ストレスです。

ストレスシステムである「HPA系」が作動することによって、体が戦闘モードに入るので、目覚めてしまうのです。

もうひとつが、ブルーライトです。

ブルーライトはメラトニンという物質の分泌を抑制します。

メラトニンが分泌されると、人間の体内時計は夜だと感じ眠くなるのです。

しかし、ブルーライトを浴びることによって人間の体が目覚めてしまいます。

SNSによって精神状態が悪化する

人間は生きるために、社交性やゴシップをうまく活用してきました。

そんな特性をうまく利用しているのが、Facebookです。

 SNSの利用によって、精神状態を悪くする人は少なくありません。

他人との比較にさらされることによって、自信を無くします。

また、SNSを利用している人の多くが孤独を感じてしまうそうです。

また、リアルに人会う時間が少なくなり、SNS上でのやりとりが多くなると共感能力も低下します。

もちろん、SNSをうまく利用している人たちもいます。

リアルの人間関係の補助として使っている人たちです。

『超人脈術』にもSNSの使い方が紹介されていました。

しかし、多くの人たちはSNSを使うことによってさまざまな悪影響を引き起こしているのです。

スマホによる悪影響のまとめ

以上、人間の特性とスマホ社会とのミスマッチによって引き起こされさまざまな影響を紹介してきました。

まとめると以下のようになります。

  • ストレスを受ける
  • 集中力の低下
  • 記憶力の低下
  • 運動や睡眠、人付き合いの時間を奪う
  • 精神状態が悪くなる

次に、どのようにスマホと付き合っていけば良いのかを紹介します。

対抗策

著者であるアンデシュ・ハンセンさんは、運動が良いと主張しています。

運動することは、脳の機能を高めてくれるそうです。

集中力が上がったり、情報処理能力が上がります。

なぜなら、昔の人々を狩りをして体を動かしているときに、最大限集中力を発揮していたからです。

運動が素晴らしいのはそれだけではありません。

ストレスや不安にも効果があります。

運動をすることによって、「HPA系」を作動させる場面が減るのです。

つまり、ストレスや不安を感じにくくなります。

なぜなら、日頃から運動をしてる人は「HPA系」を作動させて戦闘モードに入らなくても脅威から逃げることができるからです。

ホリエモンの考えを踏まえての持論

僕はこの本を読んで、スマホと一定の距離を置くことはとてもいいことだと思いました。

しかし、以前紹介した堀江貴文さんの著書『スマホ人生戦略』では、スマホを使い倒せと書いてありました。

スマホを制限した方が良いのでしょうか。

それとも、スマホをたくさん使った方が良いのでしょうか。

この議論をするときに気をつけなければならないことは、ホリエモンはダラダラとSNSを見ているわけでもなければ、ネットサーフィンをしているわけでもないということです。

能動的に知識を取りにいき、スマホを使い倒しているのです。

まさに、スマホに没頭していると言えます。

僕は、堀江さんのように能動的にスマホを使いこなせるという方がとことん使ったら良いと思います。

しかし、僕を含め多くの人はSNSをダラダラ見るし、ネットサーフィンもするでしょう。

そのような人たちは、能動的にスマホを使っていると言えません。

ならば、一定の制限を儲けることは良い選択肢になると思います。

「スマホ脳」についての議論はDaiGoさんもYouTubeにて動画を更新していました。

【世界的ベストセラーの嘘】スマホ脳の真実TOP5

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

以前、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」が話題となりました。

確かに、スマホやゲームはさまざまな悪影響があるかもしれません。

しかし、僕は法律や条例などで禁止することには反対です。

なぜなら、自由が奪われてしまうからです。

スマホの悪影響を断つためには、法律で禁止するのではなくそれぞれの意識で対処すべきだと考えます。

今回はスマホの危険性と対処法を紹介しました。

僕はこれからもブログで面白い本を紹介していくつもりです。

【著作権者(著者、訳者、出版社)の方へ】

当記事では、本が好きという方に対して面白い本を紹介することを目的としています。

書籍上の表現をそのまま使うのではなく、自分の言葉で描き直すように心がけています。

また、本に対してネガティブな印象を与えないことはもちろん、ポジティブな印象を与えられるように記事を執筆しています。

しかし、万が一行き届かない点があり、記事の削除を望む所有者様がいましたら、お手数ですが、

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までご連絡いただけますと幸いです。

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